4 December 2016

Giselle/English National Ballet | ジゼル/イングリッシュ・ナショナル・バレエ

Direction & Choreography: Akram Khan
Visual and Costume Design: Tim Yip
Music, after the original score by Adolphe Adam: Vincenzo Lamagna
Lighting Design: Mark Henderson
Dancers: Madison Keesler, Aitor Arrieta, Ken Saruhashi, Isabelle Brouwers
★★★☆☆

少し前の話ですが。
アクラム・カーン振付の『ジゼル』を観に行ってきました。
クラシック・バレエはほとんど観ない、ワタクシ。事前に粗筋をチェックして、YouTube でボリショイ・バレエの『ジゼル』を観て予習。
それにしても『ジゼル』ってロマンチックな感じだけど、これまでのカーン氏の作風と合わないような、と思っていたら、ストーリーが大幅に変更されておりました。

ジゼルは、縫製工場で働く移民労働者、になっておりまして。工場の閉鎖によって、職を失った労働者たちは巨大な壁によって閉じ込められてしまいます。ジゼルに恋するヒラリオンは、彼女の恋人アルブレヒトが実は工場の経営側の令嬢と婚約していることを暴露。ジゼルは狂死します。ここまでが第一幕で第二幕では、亡くなった工場労働者の亡霊(ウィリ)たちがミルタに率いられて、ヒラリオンやアルブレヒトに復讐を果たそうとします。。。この物語の背景には、バングラデッシュで頻発する縫製工場の倒壊や火災があるのでしょうね。

という訳で、すっかり土臭くなったジゼル、カーン氏の振付がピタリとはまっておりました。特に労働者やウィリの群舞は、鬱屈したパワーのようなものが感じられて鳥肌が立ちました。
音楽も、オリジナルの音楽を基にしているそうですが、打楽器を多用したカタックのような音楽になっていて、個人的には、むしろこっち音楽の方が好き。

舞台中央の巨大な壁が、さまざまな分断を象徴していて効果的でしたねぇ。
あと、衣装も良かった。労働者たちのミニマルな衣装とブルジョア階級の人々のやり過ぎ感満載の華美な衣装の対比が際立っていて。

ただ、これはワタクシがクラシック・バレエを見慣れていないからだと思うのですが、ところどころで展開が遅いように感じられたんですよね~。とは言え、機会があればもう1回観てみたい!

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