16 May 2016

Green, Green | グリーングリーン


気持ちの良い五月晴れが続いている英国南東部。
久しぶりに森へ散歩に出かけました。
新緑が眩しくて清々しー!



先月発見して大喜びだったワイルド・ガーリックの群生地。
一斉に白い花が咲いて、お花畑になっておりました。


なかなかに可愛らしい花じゃあ、ありませんか。
5月の森はブルーベルやらワイルド・ガーリックやら、見どころ満載ですな。

ピンクの蕊がかわいい!



 小道の両脇に茂ったカウ・パセリ(シャク)に誘われて、さらに森の奥へと散歩は続くのでした。。。

14 May 2016

Noh Reimagined @ Kings Place | 初めての能

写真は Kings Place のサイトより拝借。

3月の文楽に引き続き、友人に誘ってもらって日本の伝統芸能「能」を初体験して参りました!
2日間の公演のうち、我々が行った初日は能の見どころを集めたダイジェスト版。
公演前には、アメリカ人の能の先生 Richard Emmert 氏によるレクチャーがあって、初心者にはありがたかったです。意外だったのは、能は女性にも門戸を開いている、ということ。
 
さて、公演を観た率直な感想は、能ってストーリーが分かりづらいな、であります。実際、演目の終わりが分からなくて、どこで拍手したものやら、という戸惑いの空気が客席を流れておりました。歌舞伎のように、何の予備知識がなくてもある程度楽しめる、というものではないのかも。

だけど、すり足で舞い踊るシテ方や楽器担当のみなさんの姿勢や所作の美しいこと!それこそ、指先、つま先にまで神経が行き届いていて、目が釘付けに。

そして今回一番の収穫は、鼓と笛による能の音楽を聴けたこと。
なんだろう、思ってたより激しい、というか、ジャズとか前衛的なクラシック音楽のような趣。あるいは原始的な魂の叫び、という意味ではロック?
独特のリズムと掛け声が、西洋音楽とは全然違っていて、あー、これが日本人のDNAに組み込まれたリズムなのだなー、と。
もしかして、昔の人にとっての能鑑賞って、わたしたちがジャズ・クラブに行くような感じだったのかも。お酒片手にグルーヴを感じる、みたいな。
で、そういう情感たっぷりな音楽を、それこそ能面のように無表情で演奏するんですよねー。

終演後のカーテン・コールで、それまで無表情だった出演者のみなさんが満面の笑みを浮かべていたのが印象的でした。

そう言えば、わたしの実家がある岐阜市では夏に「長良川薪能」なるイベントがあったな~、と思って検索してみたら、ありました!コチラ http://www.gifucvb.or.jp/event/detail_summer.php?eid=00021
川に設置された舞台でかがり火に照らされた能を鑑賞なんて、素敵じゃないですか。しかも、無料ですってよ。
あの暑さを思うと夏に帰国するのは躊躇われますが、これは観てみたいですねぇ。

10 May 2016

Saul fia (Son of Saul) | サウルの息子

Director: László Nemes
Writers: László Nemes, Clara Royer
Stars: Géza Röhrig, Levente Molnár, Urs Rechn
2015/Hungary
★★★★☆

ホロコーストを描いた映画は多々あれど、この『サウルの息子』は他のどの映画とも違ってましたねー。

主人公のサウルはハンガリー系ユダヤ人。アウシュヴィッツの強制収容所で「ゾンダーコマンド」に選出された彼は、日々、同胞の処刑とその後始末に携わっています。

この映画、ほぼ正方形の狭い画面のほとんどがサウルの顔のアップ。背景はボンヤリとしか映っていないのだけど、裸の死体が転がってたりするのは分かるわけですよ。
監督のインタビューにあるように、「サウルが見聞きしたものだけを見せる」という意図で撮影されていて詳細が見えない分、想像力が掻き立てられて、怖い。なんだか饐えたような臭いが画面から漂ってくるような。

さて、ここからは相当内容に触れていきます。この映画を観る予定の方は、そっとウィンドウを閉じてくださいまし。
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わたし自身は、この映画を観るまで「ゾンダーコマンド」なる人々のことを知りませんでした。他の囚人たちより優遇されているものの、最終的には処刑されることを知っている彼らは、記録を残そうとするんですねー。こっそり写真を撮影したり、紙に書いたりしたものを収容所のあちこちに隠して。
いつ果てるとも知れない日々の中で、後世に伝えようとする姿に打たれました。あんな状況の中で未来を見ることができるなんて。

で、タイトルにもあるように、サウルは息子(あるいは彼が息子と信じ込んでしまう少年)の遺体を見つけて、ユダヤ教の教義に則って埋葬すべく奔走します。
これがねー、「人間としての尊厳を、云々」 というより、仲間を危険に陥れる迷惑行為、にしか見えなかったのですよ、ワタクシには。実際、祈祷してもらおうと探し出したラビは彼のせいで殺されちゃうし、彼のために遺体を隠しておいてくれた医師は、彼が勝手に遺体を運び出しちゃったせいで難しい立場に追い込まれちゃうし。。。挙句の果てに反乱を企てた仲間に託された火薬を落としちゃうという。
でも、サウルの狂気すら宿っているような眼を見てると、あぁ、この人はただただ何かに縋りたいのかなあ、と。

この監督の同じような手法で撮影した短編があるのですが、見たくないものを見なかったことにする人間の業の深さを突き付けられて、「うっ」となります。

 

7 May 2016

Brighton | ブライトン


先日のこと。
春を通り越して夏のような眩しい太陽に誘われて、海辺の街ブライトンへと行って参りました。


車で向かう道すがら、とおりかかった菜の花畑。
満開でした~。キッラキラ!

実はワタクシ、昔、ブライトン(正確には隣町のホーヴ)で語学学校に通っていたのでした。今回は20ウン年ぶり(!)の再訪となりました。


ロイヤル・パビリオン。記憶より、ずっと小ぢんまりしてる。


街中に入ると、独立系のカフェやショップがしのぎを削っていて街歩きが楽しいったら!
ロンドンよりもグッと賃料が安くて店を維持しやすい、というのもあるんだろうけど、性的マイノリティの方たちが多く住んでいたり、英国で唯一「緑の党」の国会議員を選出していたりという土地柄、もあるのかも。


というわけで、目についた良さげなカフェでコーヒー休憩。


大きなカップになみなみと注がれたフラット・ホワイト。このコーヒーが、酸味を抑えた香ばしい味でストライクゾーンど真ん中だったのですよ。
そうこうしていると、キッチンから出来立てのサンドイッチがどんどん運ばれてきて、カウンターに並べられていきます。うーん、美味しそう。。。


で、そのままランチになだれ込みました。
「エッグ・ベネディクト」と「ベリーとホワイト・チョコのパンケーキ」。
エッグ・ベネディクトは、オランデーズ・ソースがもうちょっと少なくてもいいかな、という感じでしたが、卵トローッ、マフィンかりっ、で美味しゅうございました。
パンケーキは四段重ね!程よい甘さで、こちらも美味しくいただきました。

Cafe Coho
http://www.cafecoho.co.uk/   
53 Ship Street, Brighton, East Sussex BN1 1AF
★★★☆☆ 

お腹が満たされたところで、街歩き再開です。





写真右上のお店 UTILITY、めっちゃツボな雑貨屋さんでした。痒い所に手が届く、長く使えそうな雑貨が山盛り。欲しいものがありすぎて絞り込めず、結局何も買えなかったのが悔やまれます。。。

昔のピアの名残。

ブライトン、前回滞在時の記憶はほとんど蘇ってこなかったのですが、居心地良いことこの上なし、でありました。また近々再訪したい!